大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)565 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人松浦孝一の上告理由について。

原審の確定したところによれば、本件当事者間に成立し調書に記載された調停の

内容は、上告人は被上告人から本件家屋を昭和二三年五月末日まで転借し、上告人

は被上告人に対し同日限り右家屋から退去してこれを明け渡す、というのである。

そうとすれば、上告人は右同日以後は、右家屋の不法占有者として被上告人に対し

契約上の明渡義務を負担したものということができるのであつて、その後にいたり

仮に被上告人が賃借人(転貸人)たる地位を失つたとしても、これにより、上告人

の占有が正当化するものでないことはもちろん契約が消滅するいわれもないのであ

るから、上告人の明渡義務にはなんらの消長を来すものではないといわなければな

らない。原判決の引用する第一審判決が理由として判示するところは、結局右と同

趣旨に帰するのであつて、原判決には、一所論のような違法はなく、また、論旨二

は原審が適法になした証拠の採否を争うものであつて、いずれも採用し難い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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